ブラサバ新パッチ!

半年ぶりの更新です。

さて、今日は仕事帰りにスーパーで買物をしていたのですが、レジで並んでいる時に嫌でも目に入るゴミ袋の陳列を見て、思いました。

 

あれ? 俺今燃やせるごみの袋、切らしてね?

 

瞬時に脳内では2つの映像が、サブリミナルのように駆け巡りました。1つは、米びつの近くに無造作に置かれた、燃やせるごみの袋1パック(5枚)。もう1つは、米びつの近くにただカップ麺やゴミが放置しているだけの、なにもない状態。迷いました。

選択肢は2つ。燃やせるごみの袋を買う・買わない。当然この2つしかありません。国が戦争をする・しないだったり、シセラを殴る・殴らないだったりというように、事前に複雑な想定や模索を必要としない、本当にシンプルな2択です。

なのに、なぜこんなにも悩んでいるのか。ええ、カンのいい皆さんはお気づきでしょう。この2択、安牌が存在している。

そう、特に悩まず、袋を買ってしまえばいい。だって1パックが2パックになろうがたった10枚の燃やせるゴミの袋。数ヶ月もすれば綺麗さっぱり使い終わり、生ものと違って腐ることもない。明らかに選ぶべきは前者。

なのに俺のプライドが邪魔をしている。もしここで「買う」を選び、結果として家に袋があったら。ゴミ袋を買ったことすら忘れていた男。そんな男に、幸せが訪れるのだろうか?趣味を理解してくれる優しくもおっかない妻とともに、子宝に恵まれ休日は穏やかな日々を家族で過ごせる……そんな男になれるだろうか?いや、なれぬ(反語表現)。

俺は──そのゴミ袋を手に取らなかった。ここまでの思案を経てもなお、俺は疲労を顔に出すことなく、努めて平静のままに買い物を終えてみせたのだ。

 

"あなたが出会う最悪の敵は、いつもあなた自身であるだろう──ニーチェ"

 

玄関を開けると、俺は飛び出した。ルイージの横Bが爆発したときのアレですら、俺の加速には到底及ばなかっただろう。米びつの近くを見る。パックは……!

 

パックは、あった。そう、2パック、あったのだ。